別れたオトコと会う時は
わたしは焦りながらもどうしたらいいかわからなかった。


そんな時、電話が鳴った。


マサヤさんからだった。


『おーす。』


『うん…。』


『…なんだよ。また一人でなんか考え込んでんのか?』


流産したことは、アイツにも、誰にも言っていなかった。


でも、


アイツのことも、


妊娠していたことも、


マサヤさんは知っている。


今まで溜め込んでいた気持ちが一気に涙として溢れる。


泣きじゃくるわたしに、マサヤさんは、


『飯、行くぞ。今から迎えに行く。家、どこだよ?』


電話の向こうから、そう言った。



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