別れたオトコと会う時は
車で迎えに来たマサヤさんは、


『メシ行くんだから、泣き顔なんとかしろ。』


と、わたしの涙を叱った。


『だいたいなぁ、食事もしないで家で一人悩んでたって、ロクなこと考えないだろーが。』


呆れたようにマサヤさんは続ける。


郊外の一戸建てのお洒落なレストランに着く。


マサヤさんは慣れた手つきでパーキングに車を停めると、


『とりあえず腹いっぱい食え。それからだ。』


マサヤさんのぶっきらぼうな優しさが嬉しくて、心に染みる。



また涙が出そうになるのを堪え、わたしは小さく頷いた。



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