別れたオトコと会う時は
『違う…。』


動揺して、声が出ない。


『今日は俺が無理に誘ったんだ。決して、やましいことはない。』


マサヤさんの言葉も届かず、アイツは真っ直ぐわたしを見る。


『ハナ、答えろよ!』


アイツは、わたしの腕を強く掴み、揺さ振った。


『乱暴はよせよ。』


マサヤさんに今にも殴りかかりそうなアイツに、わたしは言った。



『流産…したの。』


アイツの体が凍りついたように固まった。


『わたし…辛くて…、一人で考えてて…。でも、一人じゃ、どうしたらいいかわからなくって…。だから、話を聞いて貰ってたの。』


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