別れたオトコと会う時は
『…アイツを傷つけてばかりのわたしに、「好きだった」なんて言う権利は無いのかも…。』


また、チクリと胸が痛んだ一。


『ハナ。それも「愛」だよ。』


カナコがわたしに回した腕に力を込めて言った。



『杉田くんとハナはさ、お互いに相手のことを想い過ぎてさ、それで、自分が辛くなっちゃったんだよ。』


『相手に釣り合う自分でいようと、頑張り過ぎてたんじゃない?』


何もかも見透かすように、カナコは言った。




もうアイツを傷つけずに済むこの場所で、わたしは幸せそうに笑ってみせた。






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