君の近くに…

第一章

今年は桜が咲くのが早くて、この学校に転入する今ではもう少しずつ桜の花は散りはじめていた。
校内に入り、私はまず校長室に向かった。
「失礼します。おはようございます。渡貫です。」
校長にあいさつをし、その後はこの学校についての説明をうけた。
私たち2年生は、全部で４クラス。そして私は、2組だった。
「初めまして！渡貫さん。あなたのクラスの担任をしています。磯辺　香奈子です。」
先生は、優しそうな感じの人だった。
説明をうけた後、担任の先生と一緒にクラスに向かった。
「はーい。みんな席につきなさーい！」
そういって、先生は教室に入っていった。その後をついて私も、教室の中に入ると視線が一気に私の方に向けられた。
「えっと。転入生を紹介するわね。じゃ、渡貫さん。」
そういって、私に自己紹介をするように言った。
「渡貫　京です。よろしくお願いします。」
そういうと拍手が起こった。少し安心しながら、先生に指示された席にゆっくりと座った。
その日は、まだ新学期がはじまったばかりで色々な説明を受けたら、終わりだった。
放課後、やっと終わった。と安心しながら、帰る準備をしていた。
「ねぇ～え！渡貫さんだっけ？？」
いきなり後ろから話掛けられて、振り向くと小柄で可愛らしい子が立っていた。