ビターな彼氏の甘い誘惑
そんな私をみて、
和馬お兄ちゃんは、くすっと笑う。
笑うなんて、
失礼な。
「なによぉ。」
「いーーや、別にぃ。
振られても、俺の結婚式には参加しろよな?
振られなかったら、
彼氏の分も二人分席を用意するから。」
「もぉっ!!」
ほんと、余計なお世話っ!
それでも、
お兄ちゃんは「ははは」と笑って
コーヒーをさっさと飲み干した。
あ。
私も急がなきゃ。
ちらりと時計をみて、
さっと立ち上がる。
「あ。
合鍵、渡しておくね。」
「おっけ。
今日は、会議の後飲み会だろうから
適当に入って寝るわ。」
和馬お兄ちゃんは、
スーツケースから
ネクタイとスーツを取り出しながら
にっこり笑った。