ビターな彼氏の甘い誘惑
とりあえず、
バックから携帯取り出して、
牧瀬さんに電話。
「・・・あ。
牧瀬さぁん?
ちょっと、トラブルでぇ・・・」
よし、
先に行ってもらった。
しょんぼりしている彼女はもうほっといて、
じゃぁ、と言いながら
トイレを出る。
その隣の隣、
名ばかりの医務室に駆け込む。
ちょっとした大きめのソファーと、
常備薬とかが置いてある
医務室とは名ばかりの物置なのよね。
というか、物置のついでに
医務室にしたのかしら。
片手で医療用テープを探す。
「あ、あのっ。
手伝います!」
嶋野さんだ。
別に、いいのに。慣れてるから。
うちの兄二人は、
めっぽう喧嘩っ早いし、
二人とも、空手、剣道、合気道なんて
格闘技をやってるから
怪我は見慣れてる。
私も、
結構、こういう傷なら
慣れてるから・・・
ガーゼを貼って
テープで固定。