ビターな彼氏の甘い誘惑
「津川は腹が立つが
そっちじゃない。
あんまり、無防備にナンパとかされてんじゃない。」
「は?ナンパ?」
「嫉妬するだろ?
なんな、親しげに触られてるんじゃない。」
わかったか?とまっすぐ利理を見つめながら
するっと利理の髪を腕をなぞる。
細いな。
もう少し太ってもいいのに。
利理は、ちょっと顔を赤くして
「いや、別に、嫉妬とか…いいですけど」
なんて つぶやく。
「ま、ほら、行こうぜ?」
「はい?」
「シャワー。」
「は?」
「だから、シャワー」
「いっ 一緒に入る気ですか?」
顔をしかめる。
なんだ、入りたいといったのは利理じゃないのか?
「だから、風呂。
入らないのか?」
「---っ。一人で入りますっ」
へぇ。
そういうの、嫌いなのか?
好きそうなのに。
ふーん。
笑いながら、利理のほどけた髪を撫でながら、すくう。
利理が少し、身構える。
大丈夫。襲わないって。
今は。
「・・・なぁ、俺の部屋って初めてだな?」
「え?はい。
その、広いですよね」
「広いっていうか・・・家具がない。
寝るだけだからなー、ベッドは広かっただろ?」
にやり、と笑ってやると、
利理は無邪気に 笑い返した。
「ちなみに、ここの風呂場は、シャワーも調節できるし、
湯船も広いしジェットだし。
余裕で、二人。入れるぞ?」
「・・・!!」
お。食いついた?
「そして、
これは、サンプルでもらったバスソルトと、
泡ぶろの元。あと・・・」
「っ!!」
ほらほら、と サンプル品や粗品を出してみる。
利理の顔が 赤くなったり、険しくなって
表情が忙しそうだ。
「利理?」
おいで。と手を差し出すと、
「・・・もぉっ。」
あきらめたように
手を取った。
ふ。作戦成功だな。