ビターな彼氏の甘い誘惑
*
「あのっ。だからっ。」
「うん?」
「自分で、洗えますからっ。」
「そりゃそうだろ。」
「だ、か、らっ。はずか・・しぃのでっ。」
「まぁ、そうだろうね?」
わざとだからね。
はい、浴室です。
入るなり、浴槽にお湯をためる間に
シャワーをかけて
洗いっこ。ってやつですね。
まぁ、とりあえずライトはつけっぱなしだし。
ほら、真っ暗だと危ないからね?
利理はとりあえず、『恥ずかしいから自分で体を洗いたい』と。
いやいや、
俺はその
恥ずかしがる利理を見たいんだけど。
何言ってるんだ。
にっこりと泡を 手に付けて 微笑んでやると
利理は複雑そうに笑った。
「あの。ほんと、
せ、背中だけで・・・」
「うん。いいよ。
触れていたいだけだし。」
耳元でささやく。
プロじゃないんだから女性の 髪の毛とか洗える気がしないし。
湯船から、正直あんまり好きじゃない花の香りが漂う。
さっき入れた入浴剤かな?
あまったるい、そんな香り。
ま、利理が楽しそうだからいいか。
後で湯船で後ろから抱きつこうか、あぁ、でも前で抱きしめるのもいいな
・・・・我慢できるかな。
そんなことを思いながら
シャワーで
泡を洗い流した。