ビターな彼氏の甘い誘惑

***

夕方の西日がきらりと隣のビルに反射する。

私は、この瞬間が嫌いじゃない。
キラキラって、
ガラスがオレンジに反射するの。

ちょっと眩しいけど、
夕方のしんなりした雰囲気とか、
やっと仕事終わるぞーーって感じが好き。


ちらりと腕時計を見ると、
もう少しで六時。

よぉしっ。
終わりそうっ。


最後にカチカチと
パソコンでデータを修正して、
その書類を部長に送ってーーー。


「利理ちゃん。
 楽しそうだねぇ。デート?」

「牧瀬さん。
 ふふふ。
 そうなんですぅ。
 ・・・女の子とですけどね♪」

きゃっ。
と、かわいらしく答える。

牧瀬さんは、
この部署の先輩で、優しくて的確にフォローしてくれる。

のほほんと、
場を和ませてくれるから
私は、牧瀬さんが大好き。


あっ。
もちろん、同僚としてね。

だって、牧瀬さん奥様にぞっこんだし。

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