ビターな彼氏の甘い誘惑
ちょっと、
本当にそんなんじゃっ・・・
「あのっ。誤解ーーー」
「解りました!
絶対に秘密にするよ!
利理さんっ!!」
営業部の若きエース津川さんは、
ぎゅっと握りこぶしを上に突き上げて、
何やら
力いっぱい宣言した。
もぉ・・・
だからーーー。
「ほら、いくぞ。利理。」
楽しそうに
手を差し伸べられたーーー
あっ。
思わず手を取ってしまったぁ。
ちょっと横目で呉羽部長を見ると、
右の口角だけをフッとあげて、
ニヤリと笑った。
・・・絶対、ぜーーーっったい!
わざとだっ。
わざと、見せつけるかのように
会社を後にした。