ビターな彼氏の甘い誘惑

羽菜ちゃんは、はははと笑って、
「そぉねーー。
 じゃ、彼氏さんの希望にお応えして
 カットの練習にしますね~~」

「羽菜ちゃん。
 呉羽部長は彼氏じゃないよ。」

羽菜ちゃんは、私のタオルを取りながら、
そうなの?

なんて言いながら、部長に目をやる。

部長は、
ニヤリと、笑ってから、

「そうだよ。彼氏じゃなくて、恋人。
 なぁ?利理?」

「ちょっ・・・。」

「しかも、利理が秘密のオフィスラブがいいっていうから、
 公言できないんだよ。
 ひどいだろ?
 俺は、皆に自慢して、言いふらしたいのに。」

「そうなんですか♪
 利理、ラブラブじゃーん。」

「ちょっと、
 部長。ホントにやめてくださいっ。」

 もーーっ。
 私は、付き合うとも言ってないのにっ。

「あはは。大丈夫。
 俺、大切にするから。」

ダメだ。
プライベートモードの呉羽部長とは、
会話がかみ合わない。


羽菜ちゃんも、
利理に素敵な人ができてよかったーー

なんて、微笑んでいる。

違うのにぃ・・・・


 
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