ビターな彼氏の甘い誘惑

「終わったよ。」

バサリとケープを外されて、
タオルで
パタパタと首元を払われる。

「シャンプーする?」

「んー?やらなくてもいいよぉ。
 どうせ、帰ってシャワーするし。」

「じゃ、
 せっかく、彼氏さんと一緒なんだから、
 軽くメイクしちゃお。」

羽菜ちゃんは、
私のほほにチークを乗せてから、
リップを塗り直した。

「あっ。グロスは付けないで・・・」

「え?いいけど・・・?
でも、このグロス利理の好きなバラの匂いだよ?」

「うーん。
 でも・・・」

呉羽部長が・・・

別に、意識しているわけじゃないけど
ほら、
グロスが嫌いだったみたいだし・・・。




「ほら、
 あちらもできたみたいよ?」

羽菜ちゃんに言われるままに、
席を立って、
クルリと後ろを振り向いた。


< 47 / 200 >

この作品をシェア

pagetop