ビターな彼氏の甘い誘惑
顔を洗って、
ひょいと、部屋に戻ると、
呉羽部長は、
ネクタイを締めて、
乱れた髪を手で軽くなじませていた。
「・・・部長。
コーヒーでも・・・飲みます?」
一応、
ほら、
朝だし。
立派な朝ごはんはないけど、
トーストと目玉焼きぐらいならすぐできるし。
なんだか、私さっきから
頭の中で言い訳ばかり考えている。
いろんなことを考えていると、
部長が、
ははは。と軽く笑って
「いや、いらない」
言いながら、ジャケットを羽織った。
「え?」
「時間、無いから。」
「え?」
「じゃね。」
「え?え??」