冷たいアイツ






―――――本当に、日にちがとんで、一年が過ぎた。


今は、中学二年生の5月。

あたしは、タケと同じクラスになった。

去年仲良くなった、タケの親友、
篠とも、同じクラス。


笹原篠(ササハラ シノ)。
明るくて、小さい男の子。
すごい可愛い顔をしていて、
女の子みたいだ。
人気があって、男子にも女子にもモテる。


「渉~!!」


朝、席に座った瞬間、抱きつかれた。


誰にって…??

篠に…。
篠は、男女関係無く、ハグをする。
あたしに関しては、
ギリギリまで顔を近づけて。


あたしは、それに困っていた。



       ・・
タケと言う彼氏がいるから…。

去年の11月に、あたしが告白をした。
あっさりOKをもらい、半年が過ぎた。

始めは、ただ付き合ってるだけだったけど、
一ヶ月くらいたったときから、
気持ちが通じ合った。
いわゆる、両想いになった。


 去年はずっと一緒に
いたんだよなぁ。


「篠!!」


あたしは大きな声を出す。


「いいじゃ~ん!!渉ちゃん」


それでも、離れない篠に


「怒るよ」


声を低くした。


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