冷たいアイツ
「渉ちゃんのケチ~」
笑って、あたしから離れる。
ちょっと後ろを向いた。
席で本を読んでいたと思ってたタケが
あわてて目をそらした。
ヤバイ………
―――三時間目が終わった後、あたしは
タケの席へ向かった。
本を読んでいるタケは、妙に
可愛くて。
「タケ~!?!?」
恐る恐る話しかけた。
すごいよ~…怖い…
タケが本気で怒ると怖い。
それは、あたししか知らないだろう。
だって、一回、本気で怒らせた
ことがあるから。
「何?」
冷たい眼であたしを見る。
怒ってるよ~…。
「あのさ、ごめんね??」
あたしが謝ると、タケは本を閉じた。
そして、あたしを見る。
睨んでいるとも言えるだろう。
いや、
睨んでいるとしか思えない…