冷たいアイツ
「渉が来るなんて聞いてないぞ」

「だって帰りのバスでシュウちゃんが
 行く?? って聞いたから…」


「まぁ、いいや!!あがって」



あたしは、おじゃましまあす。と言って
家に入った。


「あら、渉ちゃん??渉ちゃんじゃない??」

タケのお母さんが、あたしを見て言う。

「えっ!?何で知って…」
「家のお父さん、渉ちゃんのお母さんと同級生だから!!
 武のガールフレンド??」


「違います!!」「ちげぇよ!!」


あたしとタケが、同時に否定した。

可笑しくて、笑えてくる。



「ゆっくりしていってね」

タケのお母さんは微笑んで言った。

「はい!!ありがとうございます」




「お待たせ~」


そう言いながら、タケは自分の部屋に入っていく。
あたしは、その後ろから、隠れてついて行った。


「遅いじゃん、何やってたんだよ~」


中から、まだ、知らない男の子の声がした。

「わりぃ」


タケは軽く謝ると、座った。

あっ…あたし隠れてたのに…。



「あれ??渉ちゃん!?渉ちゃんじゃん!!」

知らない男の子は、あたしを見ている。
何で名前知ってるの??


「あの…誰??」

あたしはタケに聞く。


「こいつ、篠。笹原篠。知らないのか??」


まったく知らない…。



「ごめん、知らない…」







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