冷たいアイツ
あたしは、ちょっと大きな声を
出してしまった。


タケ…が入ってるよ??



「何??どうした??嫌だ??」

「いや…タケとオチ??」
「うん」



嬉しくない??
タケが一緒だって!!
ナイス!! ナイス篠!!!!!!!!



「そんなに嬉しいの??渉??」


気がつくと目の前に篠の顔があった。

「え?何で??」

「超ニヤけてる。あっ!!そっか」



篠は、あたしを見てから、
タケを見た。


「嬉しいもんな~」


不敵な笑みを浮かべて、席に戻っていった。


篠は知ってる。
あたしがタケを好きなこと。

どれだけ好きなのかも知ってる。


だから、この班になったのも、偶然じゃない。

篠が仕組んだことだったんだ…。




あたしが、タケを見ると、
なんとなく目が合った。


あたしが、笑ってピースすると
タケは、少し笑って机の下で小さく
ピースした。


嬉しかった。
同じ気持ちでいてくれることが。










席は隣になれなかったけど、
同じ班なだけで、満足だった。




本当は隣が良かったんだけどなぁ…。
篠に捕まらなければ…。





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