冷たいアイツ
憂鬱なのに…
来て欲しくないのに…
朝は来る。
「行ってくる」
あたしは、少し重い体を引きずって家を出た。
今日は、本当に行きたくなかった。
タケと話さないまま、旅行当日。
このまま行って、何の意味がある??
「よっ!!」
バスに乗ると、カズが声をかけてきた。
「よっ!」
あたしは、軽く手を上げて微笑した。
学校に着いたけど、誰もいない。
うち等の地区のバスは、時間が早いから、普段学校に来ても先生しかいない。
「まだ人いないなぁ」
しばらく四人で話していた。
でも、そのうち2人ずつに分かれて話し出した。
シュウちゃんと僑が話していて、
あたしはカズと話していた。
「渉、タケと仲直りした??」
あたし、カズには弱い。
昔から全部見透かされているようで、
隠し事をしても無駄なようで、
全部話していた。
「してない…。口、きいてくんないし」
「今日、旅行だぞ??このままでいいのか?」
あたしだって、駄目なのは分かってる。
だから、今日は話しかけるって決めてるんだ。
ま、頑張れ!!
カズはそう言って、登校してきた友達の元に駆けていった。
あたしは、昇降口に座って、集合時間までボーっとしてた。