冷たいアイツ
一日目は、タケとオチとサトと行動した。
女子とはいなかった。
そっちの方が楽だ。
お昼も終わって、コース別も残り少なくなってきた。
これから行くところはイチゴ狩りだ!!
あたしは、食べられないから、言っても意味ないんだけど。
「はい!!着いて来てください」
案内係の人が、あたし達を案内する。
先導されて、ビニールハウスに着いた。
「ミルクと…」
いろいろと説明があって、やっとイチゴ狩りが始まる。
おいしぃ!!
甘っ!!
あちこちで、食べ始めてからの感想が聞こえてくる。
でも、何もしないあたしにとって、
くそ暑いハウスは地獄。
「先生、外に出てる」
「遠くへ行くなよ」
先生の許可を得て、あたしは、外の道路脇にある水が流れているところで腰を下ろした。
水っていっても、使い終わった汚い水だ。
あたしは、草をちぎっては流して、を繰り返していた。
「何やってんだよ」
隣に人影が出来たのと同時に、声がした。
「サトこそ何してんの??」
隣に腰掛けたのは、サトだった。
「くそ暑いから、出てきた」
「そか」
あたしとサトは、少しの間無言でいた。
何を話しても、今は盛り上がれそうになかったから。
「タケがさ、言ってた」
最初に沈黙を破ったのはサトだ。
「何を??」
あたしは、首をかしげて聞いた。
「あいつって、妬くのかなぁ…
って」
なんだそれ。ってあたし。