冷たいアイツ
思ったより平和に時が過ぎていた。


あの、「篠が変」事件から二週間。

あたしは、いつも通りにして、授業が終わってからタケに話しかけに行った。




「タ~ケ」



あたしはタケの頭を軽くなでてから、タケの横に座った。



「…」


でも、タケの様子がなんか変だ。

反応が少しも無い。




―ダンッ!!



机が叩かれた。


「俺にだって限界がある」



意味不明な言葉を残して去った。





その日は、それから一度も口を聞かなかった。


正しく言えば、聞いてくれなかった。


何回か話しかけたけど、無反応で。あたしは諦めてその日は話しかけなかった。







「サト!!」



帰りの昇降口。
行き会ったサトに相談をした。


「で…なんか、限界がどうのって…」


あたしは、今日のことをサト話した。




「限界…ねぇ。タケが…妬いたんじゃない??」






意外な返事に戸惑った。




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