冷たいアイツ
次の体育の授業、


俺はサボった。



篠もちょうどサボった。





「篠…ちょっと」




そう言って、篠と俺は人目のあんまりつかない体育館の横に移動した。



「何だよ~、タケから呼ぶなんて珍しいじゃん♪俺と向き合ってくれんの??」



冗談半分で言っている篠に、俺は真剣な顔を向けた。


「どうしたんだよ~怖い顔しちゃって」




篠の顔からも、笑顔が消える。


付き合いが長いから、今相手が何をしたいのか、


すぐに分かる。








「篠は…」 「渉のことだろ??」


俺が言う前に、篠が言った。



「俺が、渉を好きかどうか、聞きたいんじゃねぇの??」


篠は、俺の質問を、聞きたかったことをすべて読み取った。


「だから…別れたんだろ??」





「あぁ。篠は、渉をどう思ってる?」


俺は、直球勝負に出た。




「友達としては大好き。だって、渉いい奴だし」





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