冷たいアイツ
なんとか復帰した。
俺達の学校生活も元通りになった。
リハビリでの回復力は異常に早かったらしく、退院は意外と早かった。
ただ、クラスにはいずらい状態だったことは確かだ。
みんな、渉を変な目で見る。
何も悪いことはしていないのに…。
「渉ちゃん、元気になった??」
時々声をかけられてはいるが、
「あっ、うん」
返事をすると、直に嫌味が返ってきたらしい。
「篠君、危なかったんでしょ??
渉ちゃんのせいで」
「そう…だね」
アイツは、何も反論しなかった。
丸く収めたかったのだろう。
面倒くさいことは嫌いだし、何よりアイツは
友達思いだから…
次の休み時間に、俺がトイレに行って戻ってくると
渉の周りが騒がしかった。
「あんたさぁ、よく学校来れるよね」
「だよねー。篠君殺しかけたくせに」
「ムカつくんだけどー」
いわゆる虐めってヤツ。
「ごめん。でも、学校は来ないとまずいから」
「お前なんかいてもいなくてもかわんねぇよ」
「さっさと帰れ!!」
そう言って、机をけられていた。
俺が、助けなきゃ…
そう思って席を立った瞬間…