冷たいアイツ
とか言って、全部あたしの方が上。
歌もダンスも楽器の演奏もテストの点も。
「ごめんなさぁぃ」
みんなで泣きながら謝って来た。
あたしは、そこからは普通に友達として接していた。
● ○ ● ○ ● ○
「何か…時が過ぎるのって早いねぇ」
「だなぁ…」
あたしは、タケの横で教科書をうちわ代わりにして、パタパタと扇いでいた。
時々タケにも。
今は、6月の終わり。
世間で言う“夏”がすぐ目の前。
「そういえばさ、もうすぐ誕生日だね」
「だなぁ」
「タケさっきから「だなぁ」しか言ってないよ??」
「だなぁ」
「タケ??」
「だなぁ」
タケはハハッって笑った。