ぶっかけ丼
14人目の男
肌寒くなってきて、
制服は冬服に移行期間。
ソックスだった女子の足はタイツになっていた。
もう少しで冬休みだってゆうときに、
二人は出逢ったね。
いつもと変わらない食堂。
いつもと同じパンを買って、
友達に誘われて買うつもりのなかったアイスも選んで、
お金を払った。
いつもと何も変わらないお昼を過ごしていた。
いつもと違ったのは、
食堂を出たときに2つ上の雅樹に声をかけられたこと。
「いつも食堂にいるよね。俺のこと分かる?」
ハキハキとした、聞き取りやすい声だった。
女慣れしたような、ゆったりとした口調。
「ごめんなさい、わからないです。」
周りのことに鈍感な私が分かるわけもなく、
凛とした表情で返事をした私に
雅樹は唖然としていた。
近くにいた友達がひそひそ私の耳元で話していた。
「杏理www
雅樹先輩だよ〜!
文化祭でカラオケ大会1位取った人だよ!」
教えられても、全く興味なかったことなので
へぇ〜〜、くらいにしか思わなかった。
杏理だもんなぁ〜、ってくすくす笑われた。
それから毎日すこしずつお昼に雅樹と話すようになっていった。