シナリオ「はりぼて代表取締役」

受理番号

〇同、会計、外
   会計のプレートがかかっている。

〇同、会計窓口カウンター
   松平、カウンターに資料を置き、
松平「すみません、やっと受理されました。いくら払うたらいいですか?」

職員「2万4千円です」
   松平、お金を払う。

職員「これが領収証でこちらに受理番号が書いてあります。平成14(ホ)
 123という番号があなたの番号ですので、今後審議はすべてこの番号
 で行いますので憶えといてください」

松平「はいわかりました」
   お辞儀をして出ていく松平。

〇同、通路
   通路を歩む松平。

松平のN「この番号が大事なんや、早よ債権者に手紙を出さなあかん」

〇手紙の文面

松平のN「このたび負債合計1300万円が返済不能となり、京都地方裁判所
 に自己破産の申し立てをし本日受理されました。受理番号は平成14(ホ)
 123番です。本日以降の審議手続きにご協力のほどよろしくお願い申し上げます」

〇マンション、全景
   『それから数日後』のタイトル。

〇同、408号室、内、夜
   家族四人で夕食を食べている。

静子「何かすごく静かやねえ」
金吾「電話がないからや」
奈知「そや、留守電が全然あらへん」
静子「店にも一切かかってこんようになった」

松平「いうてもまだ安心はできへん。免責を勝ち取るまでは。あと半年や」
奈知「そやけど、やっぱり静かやわあ」
   みんなで笑う。
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