シナリオ「はりぼて代表取締役」

法人解散

〇同、法人カウンター
   担当がいる。
   松平、入ってきてカウンターに座る。

松平「会社を解散することにしますわ!」
担当「解散、そうでっか。ほなこの手順で」
   担当、手際よく資料を整え、

担当「一週間後に謄本あがります」
松平「もし裁判所のほうに届けだけ出して、いつまでも
 解散結了がなされなかったら、どないなるんですか?」

担当「ずーっとそのままです。また立て直して復活することもできます」
松平「えっ?」
担当「ええ、復活です。届けを出してもらえば有限会社としてまた
 復活できます」

松平「なるほど、ようわかりました。で、今日の手数料は?」
担当「5000円です」
松平「えっ5000円!おおきに!」
   松平、深々と頭を下げる。

〇京都地方裁判所、外
   モダンな裁判所正面。
   守衛があくびをしている。

〇同、正面玄関受付カウンター
   松平、カウンターに資料を出す。

松平「法人解散届を出しに来ました」
受付「清算登記簿謄本持っとられますか?」
松平「はい、もってます。これです」

受付「ここで受け付けますので、この事例集の中で最もふさわしい
 貸借対照表と財産目録を書き出して解散届に添付してください」
   松平、カウンターの隅で資料を書き込む。

松平「これでよろしゅうおまっか?」
   受付、資料に目を通し、
受付「これで結構です。受理番号は(へ)の一番です」
松平「(へ)の一番?」
   受付、奥に行こうとする。

松平「あ、あのうすいません。手数料は?」
受付「いりません。受理は致しましたが、結了するまでに予納金が
 50万円いりますので用意しといてください」

   受付、さっさと奥へ行く。
   ぽつんと立ち尽くす松平。
松平「・・・50万?・・・・・こいつらぐるや!」
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