シナリオ「はりぼて代表取締役」

税務署の差押え

〇マンション、1Fピロティー
   静子、ポストを確認する。
   茶封筒が1通着ている。

静子「税務署からや!」
   大急ぎでエレベータへ。

〇同、408号室、内
   ドアが開いて静子  が入ってくる。
静子「お父ちゃん、税務署からや!」

   松平、仏間から出てきて封筒を受け取る。
松平「税務署?」
   松平、封筒を急ぎ開け読む。

松平「『貴社は廃業との届けが出されておりましたが、調査の結果
 財産があることが判明いたしましたのでスーパーの売掛金を差押
 えいたします』なんやて?ほんまもんの税務署の差し押さえや!

 ちゃんと誓約書を書いて秋口に全額払うとハンコ押してきたのに
 きたないやつやなあ。保証協会の預金拘束といい、税務署の差し
 押さえといい、こういうやり方で庶民は路頭に迷うんやろな。

 くそったれ!ちょうど税金分だけの売掛でよかったわ。破産して
 も税金は免責にならへん。税務署だけは一生気をつけよう」

   入り口の扉が開いてブロンドのアフロヘアーにした奈知が入ってくる。
   金吾も部屋から出てきて、みんなで、
皆「なんやその髪ーっ!」
   
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