『冴えない夜も二人で…』
「あははーー世の中…そう美味しい話は無いと直ぐに悟ったし、
本社に隠して前任者の不正した仕事を元に戻すのは通常業務の倍以上の時間が掛かったけど殆どがサービス残業だった…
こっちは真面目に仕事しても前任者のクレームも受けなきゃならなくて気分は最悪…
ほぼ3年間は土日に自宅で事務処理して外に遊びに行く気力も奪われて…
ホントに何であの時直ぐに会社辞めなかったのかと思うよ…」と空笑いして、またビールを呷(あお)る
彼は黙ったまま私の話しに耳を傾けている
「私を採用時の支社長も部長も異動でもういないし…
その件を知っているのは直属の上司だった課長だけ
だから私…
課長の事は全然信用してないから一緒に仕事をしないといけない時は必ず証拠を残す癖が付いてるの
悲しいことだけどね…」はぁーと漏れる溜息