『冴えない夜も二人で…』

「初めはねぇー怒りに任せて自己満足の小説を書いてた…

そうしたら会社ってホント色んな人いるから、小説のネタ探しも楽しいし、人を見る目も変わったしね

更新を続けているうちに段々とPV数が上がって読者が増えていく…

単にぶつけ所のない怒りを昇華させる意味で始めた…書くという行為に

読者を巻き込んでる気がして前程自由に書けなくなっちゃったの…

ホント自意識過剰だよねー」

「先輩…根が真面目だから」彼にそう言われても素直に受け取れない。

「私は安定した収入と引き換えに悪事の片棒を担いで会社にも顧客にも不実な事してたんだから…真面目なんかじゃないんだよ

でもね、私が辞める時は大きな爆弾投下してやるの…

いいかげんな仕事して自己都合退職でちゃっかり退職金せしめた前任者も、自分の身が可愛いばかりに支社内で内々に事を納めた前支社長、前部長、現課長にお灸を据えないとね!

地味な外見で『従順』そうに見えて採用した社員がとんだ食わせ者だったって、一矢報いてやるつもりだから…

あぁー誰にも話したこと無かったのに喋っちゃったよ

でも…スッキリした」

私は誰かに話しを聞いて欲しかったのかも知れない、話をしたことで憑きモノが落ちたみたいに心が軽くなっていた。



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