私の王子様
「タロウ…だっけ?あなたとあたしがどこかで会ったことは分かった。だけど…全然覚えてないんだよね。…で、あたしに何か用があるの?」
あたしは話し始めてすぐに、思わず目をそらした。
だって…
直視できない…
この人カッコよすぎる!!
あたしの理想の王子様そのものの姿なんだもん…!
「そうかぁ…、覚えてないのか。僕は君に恩返しにきたんだ。このハンカチの。これ見れば思い出してくれると思ったんだけど…」
少し残念そうな顔をする。
…やっぱり分からない。いったいこのハンカチにどんなエピソードがあるのか…。
「あの…なにがあったか教えてくれない?あたしやっぱり思い出せないから」
するとタロウは腕を組みながら
「う〜〜ん……やだ。」
と言った…。