私の王子様


15分して、マサトは迎えに来た。


いつもなら運転手付きの車で来るのに、その時は徒歩だった。


「ハルカ、お待たせ。」


「うん。どこか行くの?」

「近くに公園があるからそこで少し話さない?…あれっ?」


マサトはあたしたちがいたテーブルを見て立ち止まった。


あ…タロウが食べかけにしたやつ、そのままだ…。


「…誰か一緒にいたの?」

「え…あ、友達が…。もう帰ったけど。」


「ふぅん?」


…あたしは見逃さなかった。

一瞬あたしを睨んだ時のマサトの目がとても…怖かった。


いつもの優しいマサトとはまるで別人のような…。


「…ま、いいや。とりあえず行こうよ」


そう言ってマサトはあたしの手を少し強引に引っ張って公園まで連れていった。


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