私の王子様
…どこまで行くの?なんか怖いよ…。
マサトは、近くの公園のあんまり人が来ない裏手のベンチまであたしを引っ張って行った。
もう夜の19時を回っていて、辺りは真っ暗だ。
時々木が風に揺られてサワサワとなるのが、余計に気味悪く感じた。
「マサト…手、痛いよ」
ハッとするようにマサトはあたしの手を放した。
「ご、ごめん。なんか…さっき、男といたのかなって考えたら…ムキになっちゃって。」
やっぱり何となく分かったんだ。
「…うん…。友達だけど、男だよ」
「俺の知ってる奴?」
「…」
チャンスだ。
思い切って聞いてみよう。…本当のことを。