私の王子様
「……タロウ…?」
あたしは犬達に合図を出した人影に話し掛けた。
「ハルカ…大丈夫?ごめん…遅くなって」
暗くてよく見えないけど…。やっぱり…タロウだ。
だけど…
「タロウにもらった笛、鳴らなかったよ…?」
タロウは少し戸惑いながら言った。
「…。それ…犬笛っていって…。犬にしか聞こえない音が出るんだよ。」
犬笛……?
「…タロウも…聞こえたの?」
ドクン…
ドクン…
「うん……犬だからね」