私の王子様
「どうぞ入ってちょうだい」
あたしは恐る恐るドアを開けた。
…そこには………横たわるゴールデンレトリバーがいた。
…だけど、あたしが想像していたタロウとは違かった。
体は細く、毛ヅヤも良くない。
目は…閉じたまま開ける気配もない。
「眠って…るんですか…?」
おばあさんは黙って頷く。
なんて痛々しい姿…。出会った時はあんなに元気だったのに…。
どうしてこんなに?
おばあさんはあたしにゆっくりと話し始めた。