私の王子様



「あなたがくれたこのハンカチが随分お気に入りでね?片時も離さなかったわ。あなたに似た背格好の子が家の前を通る度、タロウは窓からジッと外を見ていたわ…きっと、あなたに会いたかったのね」


始めてあたしの前に現れた時…


”やっと見つけた”


って言ってたね。


ねぇタロウ…ずっとあたしを…探してくれてたの?


それなのにあたしは…タロウのこと忘れてしまってたね。


…ごめんね…タロウ…。


知らないうちに、あたしの目からは涙が溢れていた。


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