私の王子様


あたしは時々、霊園に足を向けた。


タロウのお墓に供える小さな花を持って…。


「タロウ、今日ね…」


お墓の前であたしはいつも、他愛の無い話をしている。


まるでタロウに話しかけるように。


まだ心のどこかで…


タロウが生きている気がして…。
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