私の王子様
「今ハルカ困ってたよね?」
「…アンタはなんでいつもいきなり現れんのよ!昨日と今日でかなり寿命縮んだし!!」
あたしはハンカチで口を拭きながらタロウを睨んだ。
「じゃあどうやって登場すればいいの?”やあ、こんにちは”っていいながら白い歯を輝かせて爽やかに髪を風になびかせて登場すればいい?」
タロウはニヤニヤしながら言う。
「!!!」
それって…それって…
…なんであたしの妄想の王子様の登場の仕方をしってるの!?
あたしは思わず顔が真っ赤になってしまった。
何で!?そんな恥ずかしい話、誰にも言ったこと無いのに!!
これでますますタロウの正体が気になる。
秘密を握られたままっていうのも癪にさわる。
…だけどどう頑張っても思い出せない。