私の王子様


「ふふっ、ハルカ、僕についてきて。」


タロウは笑顔で手招きしながら歯ノリに見つからないように腰をかがめて歩き出した。


あたしはタロウの後ろをついていく。


どこにいくつもりなんだろう?


タロウはずんずん先に進んで行く。


「タロウ、歩くの早い!ちょっと待ってよ」


よくこんな体制で早歩きできるもんだ。


「ごめんごめん」


そう言って笑いながらタロウは立ち止まって待っていてくれた。


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