私の王子様
「ハルカが…僕の事をずっと忘れずにいてくれたから…。いつも君の側にいることができたんだ」
タロウは膝を付き、あたしの制服についた土を優しく払いながら言った。
そして真剣な眼差しであたしを見上げた。
「…君を側で一生守りたいって、神様にお願いしたんだ」
その瞳は茶色く透き通っていて、あたしの全身が引き込まれていく気がした。
強くて、優しい、タロウの眼差し…。
本当に、本当なんだ。
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