私の王子様


歩いて歩いて、ついに学校の裏手にまで来た。


「こんなとこまで来てどうするつもり?」


「まだ間に合うかな」


そう言ってタロウはあたしの胸位の高さの石の壁をひょいっと飛び越えた。


「登れる?」


「え…う、うん。」


…自慢じゃないがあたしはかなり運動オンチだ。


よろよろしながらなんとか壁をよじ登る。


なんとか登ることはできた。


降りようとしたけど…


た…高い!


「降りられる?さあ、姫、お手を」


笑顔でタロウが手を差し出す。


も〜、なんでいちいちクサイのかなぁ。


悪い気はしないけど…。


「あ、ありがと…」


だってまるで絵本の世界。王子様の手をとるお姫様…

う〜ん絵になる。


なんてね(笑)
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