私の王子様


「〜〜なんであんたは朝っぱらから人んちの庭にいるのよ!!」


しかもあたしの飼い犬の、気難しいチロルがいつの間にかなついてじゃれついている…。


「可愛い犬だね。何となくハルカに似てる?ペットは飼い主に似るって言うしね。」


イケメン好きなところが似ているかも…とは言えなかった。


「とにかく早く出てって!今は何も困ってないから。」


「会いたい時には来ちゃだめなの?」


え…?




「…いや。…いやいやいや!いちいち驚かすからだめ!」


一瞬ドキッとしたけど…。

「驚かすつもりはないんだけどなぁ」


「い〜から出て出て」


あたしは家の門を閉めてタロウを追い払った。


いつも突然現れてさらっとキザなこと言いやがって…。


「…アレ?ハルカも出るんじゃないの?」


あたしは逆に学校に行くはずの自分を庭に閉じ込めてしまった。


…く〜〜っっ!!なんてムカつくヤツなんだ!


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