私の王子様
タロウはあたしを抱えたまま物凄い早さで走り出した。
あたしは、“降ろせ!”とか“やめろ!”とか叫びながらタロウに抱えられたままどうすることもできなかった。
途中変な目で見ているサラリーマンや
羨望の眼差しで見ている女子高生を横目に
それこそあっという間に学校に到着した。
「はぁ…はぁ…」
叫びすぎて疲れた。
「間に合ったね!それじゃ頑張って。」
立ち去ろうとするタロウ。
「ちょっと…!待ちなさいよ!!」
「ん?」
とぼけた顔して!!人にあんな恥ずかしい思いさせたくせに!
「…話があるから今日学校終わったら正門で待ってなさい。いいね?」
ひとこと言ってやらなきゃ気がすまない!