私の王子様
タロウは少し戸惑いながら
「…僕は君が何か困ってる時にしか来られないんだけど」
と伏し目がちに言った。
んな阿保な…。
「さっきは困ってなかったけど?」
「忘れてたでしょ?これ」
タロウはあたしがエミに借りっぱなしだった縄跳びを差し出した。
そういえば今日体育で使うから返すように言われてたんだ。
「あ…ありがとう。〜〜とにかく待ってなさいよ!」
そう吐き捨ててあたしは逃げるようにその場を去った。
歯ノリがあたしに何か言ってた気がしたけど立ち止まらず無視した。