私の王子様


職員室に入ると先生たちがあたしをチラ見している。


今朝の噂が既に広まっているらしい。


歯ノリの席に行くと、腕組みをして待ち構えていた。

ゴホンと軽く咳ばらいをした後


「まぁ座りなさい」


「!!はい…」


あたしを座らせた。


あたしは俯いていた。


決して落ち込んでいるわけではない!


…まともに先生を見れない。


…だって!!!


あたしは見てしまった。
田中先生の歯にしっかりとノリが付いているのを!!

早く三人にそれを報告したいのを堪えるのと、笑いを堪えるのに必死だったのだ。


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