私の王子様
「ずっと君を探してたんだよ!…やっと会えた!!」
そう言うなり…
男は、周りの目も気にせずあたしに抱き着いてきた。
「ひ、ひ…人違いじゃないですか。あ、あなたなんて知りませんッ!」
全身で拒否の態度を示すものの、男は引き下がる様子も無い。
何だか変な汗がでてきた…
。
「僕たち、ずっと昔に会ってるよ!」
「☆♪△※○■!?」
パニクり過ぎて言葉にならなかった。
…絶対この人おかしい!やばい人なんだ!
あたし、怪しい宗教とかに入れられちゃうんだ!
…逃げよう!!
「しつ…失礼しますっ!」
あたしはそいつを振り払って本屋から走って飛び出した。