私の王子様


マ「少し歩くけどごめんね。駐車場がないところだから」


「いえ!歩くの好きですからっ!!」


マ「そんなに緊張しないでよ(笑)」


「あ、なんか、つい…」


マ「可愛いね」


そんな…そんなこと言われたらますます緊張しちゃう!!


会話が成立していたかすら分からないようなハイな状態で、向かった先はお金持ち御用達の乗馬クラブ。


いかにもお金持ちって感じの人達が、子供から老人まで揃って乗馬を楽しんでいた。


まんま普段着のあたし。


「あの…場違いじゃないですか?」


「大丈夫大丈夫。乗ってみる?」


そう言って王子は真っ白な馬を一頭連れて来た。


「うわぁ、キレイな馬!」

「一緒に乗ってあげるから。さあおいで。」


王子はサッと馬にまたがるとあたしに手を差し出した。


あぁ、やっぱり本物だ。


王子様は白馬が似合う…。

あたしは完全にお伽話の世界に迷い込んだ気になっていた…。


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