私の王子様
「イタタタ…」
「大丈夫?ごめんね、気付いてあげられなくて…」
「いや、大丈夫です」
夢中になって、一時間ほど馬に乗っていたら足やらお尻やらが痛くなってしまった。
「ごめんね。近くまで迎え呼ぶから、送って行くよ」
「大丈夫!歩いて帰ります!歩くの好きですから!」
このままだとあたし…。この夢の世界に迷い込みそう。
冷静な判断が出来なくなりそうだよ。
「あの…あ、後で…連絡しますね」
そう言って逃げるように帰ろうとしたあたしの腕を王子が掴んだ。
「待って!」
腕を掴まれた状態のまま、硬直するあたし。
「無理しないで…?俺にも責任あるから」
…駄目だ。素敵すぎる…見た目も趣味も仕草の一つ一つをとっても!
彼を王子様と言わずに何と言う!?
もう…無理!!
「ハルカちゃん…俺と…付き合ってくれる?」
「はい!」
思わず即答してしまった…。
その日王子はあたしを家まで送るとまた、真っ白な白馬に乗って去っていった。※車です笑