私の王子様
「今の…彼氏?」
「うん。ついさっきからね♪王子様みたいでしょ?」
あたしは浮かれていた。
タロウは遠くに視線をそらす。
「あいつは…やめたほうがいいぞ」
「はぁ?いきなりでてきて何よそれ。」
あたしはムカついた。
だって完璧な王子様じゃん。非の付け所がない。
タロウになんでそんなこと言う権利があるの?
「あいつは……悪い人間だ。僕には分かる。ハルカ、絶対に付き合っちゃ駄目だ。」
「〜〜いい加減にしてよ!!タロウに何がわかるっていうの?まじムカつく!あんたに何の権利があってそんなこと言うの!?タロウはあたしの何!?」
「…僕は…」
タロウはとまどいながらあたしに手を伸ばした。
あたしは思い切りその手を振り払ってやった。
何で…?
何か…痛い…。
心が?
違う。
力を入れすぎた手が痛いに決まってる。