私の王子様
噂
翌日−−
素敵な彼氏が出来た嬉しさの反面、あたしの気分は沈んでいた。
学校に向かう足取りも心なしか重い。
あたしの気分のを映し出すかの様に、空もどんよりとしている。
せっかく、せっかく念願の王子様との恋が叶ったと思ったのに。
…こんな気分なのも、タロウのせいだ。
タロウは確かに得体の知れない男だけど、彼なりにあたしを助けてくれた…。
それは感謝してる。
ヒドイことを言っただろうか…?
だけどいきなり『あいつは悪い人間だ』なんて言うなんて。
いくらなんでもひどい…。
あたしは悪くない!!
そんな葛藤を頭の中で繰り返しながら無言で教室に入った。